よく「宮﨑駿さんと新海誠さんの作品どっちが好きですか?」みたいな問いに、若い世代が答えているのをネットで見かけます。新海誠さんは若い人たちに大変人気ですが、「君の名は。」で初めて知った方も多いでしょう。

新海誠さんは、「君の名は。」以前からも注目されていた映画監督です。私もいくつかの作品に触れましたが、その中でもお気に入りのものをちょっと紹介。

 

秒速5センチメートル

私は新海誠さんの作品で一番好きなのは「秒速5センチメートル」です。映画を見て、DVDを買うほどで今でも暇のある時、辛い時、癒されたい時に見る作品です。小学生の卒業と同時に離れた遠野貴樹と篠原明里の二人の物語です。互いに意識をしながらも時は進んで行く。彼らの話を「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の3話構成で話は進みます。

 

貴樹は明里に会いに電車に乗っていく様がけなげです。大雪で大幅に遅れ到着。ですが、彼らの気持ちと心の交流と自然の美しさが清々しいです。「コスモナウト」は種子島の自然が舞台で綺麗に描かれていて旅行に行きたいと今でも考えさせてくれます。この話は同級生の花苗の視点で描かれた、貴樹を見続ける話しで、花苗の思いと高校生の甘酸っぱい想いが非常に胸にピュアに突き刺さりました。そして秒速5センチメートル。

 

大学、社会人と凄し、生活の波に揉まれ、貴樹と明里は時々互いを想いながらも日々の生活に生きていくのに精いっぱいです。現実社会と一緒のリアルな部分が繊細に表現されています。

 

それぞれの幸せや失敗や挫折の明るさと暗さの対比が彼らの生きざまを通して見られます。そして、明里は結婚することになります。貴樹はいつかどこかで会いたいと願いながら、春の踏切で待ちます。そこには出会った時と同じ桜の木が。桜の木に始まり桜の木に終わる。桜の大きな木で花びらまでの透き通る細かい美しさが好きです。

 

今でも見る度涙が出ます。どこかで出会えそうな距離で交わることはない。もう二度と会うことはないが、いつかどこかでと信じて気づかず通り過ぎる。でも決してそれは絶望でなく新たな人生、希望の始まりだとラストが思わせてくれます。誰にでもある誰の心にも儚い切ない気持ちや思い出は決して消えることはないし、どんな人生を歩んでも引き継いでいくのだと。凄くいい作品です。見てない方は是非とも見てほしい一押し作品です。

言の葉の庭

「言の葉の庭」は、新海誠作品の特徴である「描写の細かさ・綺麗さ」が良く出ています。雨の日に巡り合った二人の心の移ろいが物語の軸だが、とにかく雨の表現の美しさに注目してほしい。この映画を観るまで、雨が降る情景がこんなにも綺麗で幻想的だとは思わなかった。しかし、激しい雨も降るように、二人の気持ちも乱れに乱れる。だからこそ、ラストシーンで駆け出すヒロインと雨上がりの街並みがとても爽やか。主題歌の「RAIN」と合わせて、雨の魅力を味わえる。

46分間という短い短編アニメでしたが、見ごたえは十分ありました。何が見ごたえかと言いますと、それは美しすぎる映像です。雨の日の新宿御苑が舞台になっていますが、水たまりに反射される景色や公園内の美しい緑がとても目を引きます。それまで新宿御苑にそれほど興味があったわけではないですが、この作品を見て思わず雨の日の新宿御苑を訪れてみたくなりました。個人的にはジブリの映像よりも優れている作品ではないかと思います。

 

クロスロード

私が新海誠監督を知ったきっかけはZ会の「クロスロード」や建設会社のテレビCMを見て、映像が綺麗で印象に残ったことです。初めて見た作品は「秒速5センチメートル」です。アニメ映画の作品を見て、改めて綺麗な映像だなと思いました。ピンク色の満開の桜や花びらがひらひらと散る様子、道路や風景が夕日に照らされ少し寂しげな様子が綺麗に描かれていました。

 

世界観は普段私達が接しているもので、ファンタジーや空想上の風景だけでなく実世界にもこんなに美しい風景があるのだと気づかされました。内容としては小学校から大人になるまでの主人公と女の子の物語です。子どもの頃の2人の関係、それから時間が過ぎていくにつれ離れていく2人の関係が描かれています。初めて見た感想は、何故?どうして?という気持ちと、切ない気持ちでいっぱいで見終わってスッキリしませんでした。

 

主人公と仲の良かった女の子がだんだんと疎遠になってしまい、そのことに対する主人公の気持ちも薄れていくといったことに納得がいかない気持ちが強かったのを覚えています。2回目に見た時には切なさや悲しみの他にリアルさを感じました。自分が学生から社会人になって無意識のうちに失っていった人間関係、学生時代あれほど仲良くしていたのに現在では全く連絡を取らなくなったなど、経験してきたからこそ感じることなのだと思います。

 

歳を重ねていくうちに無意識のうちに失っていくものや排除しているものを自覚させられた気がしました。新海誠監督の作品には単に映像美だけでなく人の気持ちに強く訴えかけるものがあり、それも人気である理由の1つなのだと思います。改めて見ることで今までと違った見え方や感じ方が出来たので複数回見ることもお勧めできる内容でした。

だけどやっぱり「君の名は。」が一番?

「君の名は」は新海誠が手掛けたアニメ作品なんですが、この物語のストーリー的にも主人公である東京で暮らす少年瀧と飛騨の山奥で暮らしている少女三葉の二人、全くの関係性も持たない二人がある日突然、二人の心と身体が入れ替わる筋書きに成っているのですけど、それだけの触りの部分だけを聞くと私的には何故か昔にドラマで見た「同級生」を思い出します。

あれも階段から転げ落ちて二人の心が入れ替わった筋書きだった様に思えて今回の新海誠のアニメ作品を観賞してふと、懐かしくも思えて来ました。何も共通点が無かった男女二人が入れ替わった事でお互いを意識し始める辺りは何となく純愛か青春恋愛に近いモノが有りアニメーションの出来からしてもとても良かったと感じました。

本作【君の名は。】は、新海誠監督の最高傑作でしょう。アニメ作品としては爆発的ヒットをして結構な人が見たのではないでしょうか。私も見る前は人気先行の色モノだと思っていましたがとんでもなかったです。主人公二人もただ入れ替わるだけでなく、入れ替わった後の二人の悩みにもぶつかっていきながらお互い心通わせて惹かれていく姿がとても素晴らしいです。入れ替わりが出来なくなった後の話の盛り上がり方も最高です。まさか入れ替わりにそんな意味があったとは想像も出来ませんでした。壮大な話に上手く恋愛要素を絡めた傑作ですね。

© 2017 君の名は 動画 フル 無料 rss